最近使っている食材をいくつか紹介します。
 
ほうぼう
 
早春の寒い時期が旬です。昔、殿様に献上したことから、君魚(きみうお)と呼ぶ地方もあります。よく出汁が出るのでフランスではブイヤベースに使います。ユーモラスでかわいい表情で赤い色が濃いほうがおいしいです。
 
青身大根
 
京都の小さな大根で、すっと細長い姿形がきれいな野菜です。小さいけれど存在感のある味で、煮物にしたときのホクホクした食感が個性的です。味付けは薄味が合います。
 

 
炭や重曹を使ってアク抜きをすると、とても美しい黒に近い深緑色に変わります。うまみが強く山菜の本当のおいしさを実感できます。火を加えることでその素材の隠れた色が現れるとき自然ってすごいなと感じます。塩煎りした銀杏の翡翠色、薄皮を剥いた冬瓜の淡いグリーンを見た時などは、同じような感動を覚えました。
 

 
おいしい鯖はくさみがないので、〆鯖はもちろん煮物、焼き物、何にでも使います。一月は大阪の船場汁をヒントに考えた鯖の煮物を作っています。